「この物件、なんでこんなに安いんだろう?」

写真を見る限り、とてもきれい。

築38年。

外観も整っていて、室内写真も状態が良さそうです。

それなのに価格は驚くほど安い。

理由を探していると、一つだけ気になることがありました。

地図を見ても接道がよく分からない。

再建築不可なので、おそらく接道の問題。

でも、これは現地へ行かないと分かりません。

ということで、内見へ向かいました。

実はこの物件、

私にとって初めて高速道路を使って見に行った築古戸建でした。


現地に着いたのに、家がない。

のどかな住宅街に到着。

「この辺かな?」

と思いながら車を走らせます。

……

……

見つからない。

地図ではこの辺なのに、

家へ行く道がありません。

住宅街を何周しても見つからず、

近くのコインパーキングへ車を停めて徒歩で探すことに。

築古戸建では、

「細い路地の奥」

なんてことはよくあります。

でも今回は違いました。

本当に道がない。


近所の方に聞いてみると…

案内してくださった不動産会社さんが、

近くのお宅へピンポン。

「〇〇さんのお宅へは、どうやって行くのでしょうか?」

すると、

ご近所の方が笑いながら教えてくださいました。

「川の土手から入るんですよ。」

えっ……。

川の土手?


本当に土手から入る家でした。

教えていただいた場所へ向かうと、

長い間空き家だったようで、

土手まで木や草で覆われています。

雑草をかき分けながら進み、

ようやく家に到着。

車はもちろん入れません。

整備しても、

自転車かバイクが限界でしょう。


ところが…

ここまで苦労してたどり着いた家は、

想像以上にきれいでした。

7月の真夏。

雑草は背丈ほど。

蚊も大量。

恐る恐る玄関を開けると……

「あれ?」

思った以上にきれい。

多少クモの巣はあるものの、

定期的に清掃されていたようです。

築38年。

築古戸建ばかり見ている私からすると、

かなり若い(笑)。


設備も驚きました。

建具は高級感があります。

そして驚いたのは、

ガスコンロが4口。

さらに、

お風呂のタイル。

下までピカピカで、

カビが一つもありません。

経年劣化はあるものの、

清掃だけでも十分貸せそうな状態です。


唯一気になったのは…

2階のベランダ。

ツル植物が見事に育っています。

どうやら1階から伸びてきたようです。

ただ、

雨漏りもなく、

ベランダ自体もしっかりした造り。

大きな問題ではありませんでした。


建物は100点。

でも……

道がありません。

これが、この物件が安い理由でした。

駐車場はありません。

家まで約20m、

川沿いの土手を歩かなければなりません。

夜は街灯があるのかも分かりません。

もし増水したら……

そんな心配もあります。


すごく悩みました。

駅徒歩15分。

近隣では新築住宅も建築され、

エリアとしての需要は十分あります。

だからこそ、

余計に悩みました。

建物だけなら、

本当に欲しい。

でも、

「住みたい」と思ってもらえるか。

そこだけが答えを出せませんでした。


接道は、価格を大きく左右します。

この物件を見て改めて感じたのは、

建物がどれだけきれいでも、

接道条件は価格に大きく影響するということ。

もし普通に車が入れる道路に接していたら、

4倍くらいの価格でも不思議ではない。

そう思えるほど、

建物の状態は素晴らしかったです。

築古戸建を探していると、

「写真だけでは分からないこと」

に本当によく出会います。

だから私は、

気になる物件があれば、できるだけ現地へ足を運ぶようにしています。