なぜ空き家再生なのか|私が築古戸建を再生する理由
ずっと昔から、疑問に思っていることがありました。
長い間、誰も住まずに放置されている家。
雑草が伸び、野生動物が住みつき、蜂の巣ができる。
建物が傷めば、近隣に迷惑をかけたり、危険な状態になったりすることもあります。
そんな家を見るたびに、
「どうして誰も何とかしないんだろう」
と思っていました。
一言でいえば、
「家がかわいそう」
という気持ちです。
でも、不動産について学び、実際に空き家を購入するようになって、その考えは少し変わりました。
空き家を手放せない事情もある
以前の私は、
「使わないなら売ればいいのに」
くらいに考えていました。
でも実際には、そんなに簡単ではありません。
相続人が複数いて話がまとまらない。
片付ける時間もお金もない。
施設に入った親が、いつか戻ってくるかもしれない。
家を所有していることで土地の固定資産税が軽減される場合もあります。
さまざまな事情が重なって、**「何とかしたくても動かせない家」**があることを知りました。
だからこそ、私は思うようになりました。
せめて自分とご縁があった物件だけでも、きれいにして次の人へ引き継ぎたい。
初めて購入した築古戸建も、放置された家でした
私が初めて購入した築古戸建も、そんな一軒でした。
身内の方が片付けを始めたものの、あまりにも荷物が多く途中で断念。
庭の雑草は伸び、隣接する住宅にまで達していました。
最初に見たときは、
「ここまで放置して、近所の方は大丈夫なのかな」
と思ったのを覚えています。
でも事情を聞くと、ご家族も自分たちの生活で精一杯。
片付けに時間もお金もかけられず、さらに施設に入ったお父様が戻ってきて住む可能性もあり、なかなか手放す決断ができなかったそうです。
外から見ているだけでは分からない事情がありました。
片付けて初めて見えた「まだ使える家」
室内の片付けを始めたときは、本当に大変でした。
カビのある水回り。
足の踏み場もない床。
荷物が多すぎて、キッチンまでたどり着けない。
その光景を見て、
「これが空き家問題の現実なんだ」
と実感しました。
でも、片付けながら建物を見ていくと、違う面も見えてきました。
屋根はリフォームされたばかり。
扉や窓の建て付けもしっかりしている。
古くても、家としてまだ使える部分がたくさん残っていました。
片付けて、必要なところを修繕すれば、また誰かが暮らせる家になる。
そう思いました。
空き家には、以前の家族の暮らしが残っている
空き家を片付けていると、その家で暮らしていた人たちの生活に触れることがあります。
家族写真。
お子さんの成長記録。
建築当時の書類。
倉庫に残された農機具やキャンプ用品、釣り道具、DIY用品。
そこには、その家族が過ごしてきた時間が残っています。
建築当時の書類などを見ると、
「この家が完成するのを、きっと楽しみにしていたんだろうな」
と思うことがあります。
新築だった家も、何十年か経てば築古住宅になります。
住む人がいなくなれば、空き家になることもあります。
でも、古くなったからといって、必ずしも家としての役目が終わったわけではありません。
もう一度、誰かが暮らせる家にする
役目を終えたように見える家でも、片付けて修繕すれば、もう一度誰かが暮らせることがあります。
放置されていた家がきれいになる。
近所の方にも安心してもらえる。
そして、新しい入居者さんの生活が始まる。
私は、この変化が好きです。
もちろん、不動産投資なので収益を考えることも必要です。
修繕費もかかりますし、すべての空き家を再生できるわけでもありません。
それでも、条件が合い、自分に再生できる物件なら、
もう一度、誰かが暮らせる家にしたい。
そう思っています。
空き家に、もう一度いい日を
空き家再生を始めてから、物件を「古い家」というだけで見ることが少なくなりました。
その家がこれまでどう使われてきたのか。
どこを直せば、これからも使えるのか。
次にどんな人が暮らすのか。
そんなことを考えながら、一軒ずつ再生しています。
家にも、ご近所の方にも、そして新しく暮らす方にも、
「この家がもう一度使われてよかった」
と思ってもらえる形で次へつないでいきたい。
それが、私が空き家再生を続けている理由です。