100万円で築古戸建を購入できた理由|実際に購入した大家が解説
「100万円で家を買いました。」
そう話すと、ほぼ100%こう聞かれます。
「そんな物件、本当にあるんですか?」
あります。
でも、最初から100万円の物件を紹介されたわけではありません。
きっかけは、ネットで見つけた180万円の築古戸建でした。
その物件自体は購入しませんでしたが、内見したことをきっかけに仲介業者さんとのご縁ができ、最終的に別の築古戸建を100万円で購入することになりました。
今回は、そのときの経緯と、なぜ私に100万円の物件を紹介していただけたのかを振り返ってみます。
屋根から青空が見えた180万円の物件
ある日、180万円で売りに出ている築古戸建を見つけ、内見をお願いしました。
築古なので、多少の修繕は覚悟していました。
……が、想像をはるかに超えていました。
2階へ上がると、屋根から青空が見えるんです。
雨漏りした水があちこちに溜まり、家の状態はかなり深刻。
しかも傾斜地に建っていて、車も近くまで入れません。
玄関は鍵がかかっているはずなのに開いていて、初めてお会いした仲介業者さんと顔を見合わせて思わず苦笑い。
「これはすごいですね(笑)」
そんな会話をしながら、恐る恐る内見を進めました。
さすがにこの物件は見送ることにしました。
「本気で探しているなら……」
内見が終わり、仲介業者さんの事務所へ戻ると、
「ご予算はどれくらいですか?」
と聞かれました。
私は、
「安ければ安いほど嬉しいです。」
と答えました。
そして、すでに築古戸建を購入してDIYをし、賃貸経営をしていることもお話ししました。
「冷やかしではなく、本気で探しています。」
そんな気持ちを伝えたかったからです。
実は、安く売ってもいい物件があります
すると仲介業者さんが、一枚のマイソクを見せてくれました。
そこに書かれていた価格は550万円。
「あれ?予算オーバーかな?」
と思っていると、こんな話をしてくれました。
「本当はもっと安くてもいいんです。」
100万円、200万円といった格安価格でネットに掲載すると、問い合わせが一気に増えてしまうことがあるそうです。
ところが、問い合わせが多くても必ずしも購入につながるとは限りません。
電話対応などで通常業務にも影響が出てしまうため、その物件はあえて550万円という価格で掲載しているとのことでした。
「それ、すごく分かります」
実は私も、以前2年ほど不動産仲介の仕事をしていました。
格安物件に問い合わせが集中して、現場が大変になることは何度も経験しています。
「それ、本当に大変ですよね。」
そんな話で二人とも盛り上がりました(笑)。
今思えば、この何気ない会話も、少し信頼していただけるきっかけになったのかもしれません。
「100万円なら買います!」
すると仲介業者さんが聞いてきました。
「100万円だったら興味ありますか?」
もちろん即答です。
「あります!」
「では後日ご案内しますね。」
と言われましたが……
待てません(笑)。
マイソクに住所が載っていたので、その日のうちに一人で周辺を見に行きました。
現地へ行って驚いた
山道を進むにつれて、どんどん道幅が狭くなります。
「これは大丈夫かな……」
と少し不安になりました。
ところが、急に視界が開けました。
そこは昔の開発分譲地。
道路はきれいに整備され、思っていたよりずっと雰囲気が良かったんです。
建物も、雑草こそ伸びていましたが、軒天はきれい。
外から見た印象は想像以上に良く、
「これは中も見てみたい。」
そう思い、すぐ仲介業者さんへ連絡しました。
ホラー映画のような内見
後日、正式に内見することになりました。
仲介業者さんは、玄関まで行けるように草刈りまでしてくださいました。
それでも背丈以上の雑草をかき分けながら玄関へ。
そして扉を開けると……
ヤモリ。
窓を開けると……
またヤモリ。
扉という扉を触るたびにヤモリ。
床には虫の死骸もたくさん。
正直、ホラー映画のような光景でした(笑)。
それでも購入を決めた理由
でも、建物をよく見ると印象が変わりました。
窓の開閉はスムーズ。
浴室のタイルもきれい。
目立った雨漏りの形跡もありませんでした。
そして、建具などを確認していくと、最初に見た180万円の物件とはまったく印象が違いました。
雑草や虫など、見た目のインパクトはすごい。
でも、
「これは手を入れれば再生できそう。」
そう思えたんです。
私はその場で購入したいと伝えました。
もちろん最後は値引き交渉(笑)
100万円という話をしていただいたにもかかわらず、最後に聞いてしまいました。
「ちなみに、これ以上のお値引きは……?」
仲介業者さんは笑いながら、
「さすがに無理です(笑)」
そりゃそうですよね。
売主さんは住宅ローンが少し残っていて、その返済ができればいいという状況だったそうです。
高齢になり、山の中での生活が大変になったため、駅近くへ住み替えていました。
「早く手放したい。」
そんな売主さん側の事情もあり、この価格で購入できることになりました。
私が100万円で購入できた理由
今振り返ると、100万円で購入できたのは「運」だけではなかったと思っています。
もちろん、売主さんの事情やタイミングなど、自分ではコントロールできない条件もありました。
そのうえで、私にこの物件を紹介していただけた理由として考えられるのは、次の5つです。
- 冷やかしではなく、本気で購入する意思を伝えたこと
- 築古戸建の購入・DIY・賃貸経営の経験があったこと
- 不動産仲介の経験があり、業者さんの立場も理解できたこと
- 現金決済ができたこと
- 契約不適合責任免責・現況有姿という条件も理解したうえで購入を検討できたこと
100万円という価格だけを見ると驚かれるかもしれません。
でも、この物件を購入できたこと以上に大きかったのは、
「この人なら話をしても大丈夫」と思っていただける関係をつくれたこと。
だったのではないかと思っています。
築古戸建は、ネットに掲載されている物件だけがすべてではありません。
今回のように、ひとつの物件を内見したことがきっかけで、別の物件につながることもあります。
最初に見た180万円の家は買いませんでした。
でも、あの「屋根から青空が見える家」を内見していなかったら、100万円の家にも出会っていません。
不動産は物件とのご縁だけでなく、人とのご縁も大きい。
この物件は、それを強く感じた一軒でした。
安く買うことは、その後の賃貸経営にもつながる
もちろん、安く買えれば何でもいいわけではありません。
修繕に何百万円も必要だったり、入居需要がなかったりすれば、購入価格が安くても結果的に高い買い物になることがあります。
だから私は、価格だけではなく、
「修繕して貸せるか」
「家賃はいくら取れそうか」
「最後にどう売るか」
まで考えて購入するようにしています。
物件を買うかどうかを判断するときに私が見ているポイントについては、
で詳しく紹介しています。
また、不動産は「いくらで買うか」が、その後の賃貸や売却にも大きく影響します。
仕入れ価格と出口については、
でも詳しく書いています。