築古戸建の出口戦略
「誰に貸すか」まで考えて購入する
築古戸建を購入するとき、物件価格や想定家賃、利回りはもちろん確認します。
でも私が購入前に考えているのは、それだけではありません。
誰がこの家を借りるのか。
どのくらい長く住んでもらえそうか。
そして最後に、いくらで売却できそうか。
購入した時点から、賃貸中、そして最後に手放すところまでを考えています。
私が目指しているのは、とにかく高い利回りを出す不動産経営ではありません。
できるだけトラブルなく、穏やかに長く賃貸経営を続けたい。
そのため、購入する物件そのものにも一定の基準を設けています。
5年以上保有した先の売却まで考える
不動産を売却したときの譲渡所得にかかる税金は、所有期間によって大きく変わります。
売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得、それ以下なら短期譲渡所得となります。
そのため私は、基本的に長期保有を前提として考えています。
ただし、
「5年間貸せればそれでいい」
とは考えていません。
最終的には売却することも想定し、
売却価格はいくらになりそうか。
そこから売却に必要な費用や譲渡所得にかかる税金を払ったあと、いくら手元に残るのか。
最終的な手取りまで含めて出口を考えています。
その5年間を誰に貸すのか
出口戦略というと、どうしても最後の「売却」に目が向きます。
でも実際には、購入してから売却するまでの間に賃貸経営があります。
5年間、ただ家を貸して平和に時間が過ぎるとは限りません。
家賃滞納。
近隣トラブル。
設備故障。
退去。
再募集。
いろいろなことが起こる可能性があります。
だから私は、出口だけでなく、
「その途中を、できるだけ穏やかに運営できる物件か」
ということも購入時から考えています。
私のターゲットはファミリー層
私が築古戸建で主なターゲットとしているのは、ファミリー層です。
子どもがいる家庭であれば、学校などの関係もあり、一度入居すると比較的長く住んでもらえる可能性があります。
もちろん、ファミリーだから必ず長期入居になるわけではありません。
それでも私は、一般的な家族が普通に生活できる戸建を選ぶことを意識しています。
そのため、物件を見るときは建物だけでなく周辺環境もかなり見ます。
小学校、中学校が徒歩圏内にあるか。
スーパーやコンビニなどが生活圏内にあるか。
駐車場はあるか。
周辺の雰囲気はどうか。
そして、近隣に生活する上で気になりそうな嫌悪施設がないか。
ひとつだけで判断するのではなく、すべてを複合的に見ます。
「自分が住みたいか」は基準にしない
物件選びで、
「自分だったらここに住みたいか?」
を基準にする考え方もあります。
でも、私はそこを基準にはしていません。
自分の生活スタイルや好みと、賃貸市場の需要は別だからです。
私自身が住みたいかではなく、
「一般的に、この場所、この間取り、この家賃なら住みたいと思う人がいるか」
を考えます。
自分の好みではなく、借りる側の需要を見る。
そこは意識して切り分けています。
昭和56年以降の新耐震基準をひとつの条件に
建物については、私は基本的に昭和56年(1981年)以降の新耐震基準の物件を選んでいます。
築古戸建なので、新しい家を探しているわけではありません。
ただ、古ければ何でもいいわけでもありません。
修繕すれば、一般的な家族が普通に生活できる。
そして将来売却するときにも、次の人が検討できる。
そのあたりを考えながら物件を選んでいます。
実績として家賃7万円以上を取れる物件
自分で購入した築古戸建については、これまで実績ベースで家賃7万円以上で貸しています。
父の実家のように、自分で購入したわけではない特殊な物件は別です。
私は、とにかく安い物件を買って、とにかく安い家賃で貸すという方法は選んでいません。
物件価格が安ければ、表面的な利回りは高くなることがあります。
でも、私が重視しているのは利回りの数字だけではありません。
その家賃帯で、どんな需要があるのか。
ここも大切だと考えています。
極端に安い家賃でなければ入居者が見つからない物件より、一般的なファミリー層から一定の需要が見込める物件を選びたい。
その方が私の目指す賃貸経営に合っています。
高利回りより「穏やかに続けられること」
築古戸建投資には、さまざまなやり方があります。
非常に安い地方物件を購入し、低家賃で貸すことで高い利回りを出す方法もあります。
それ自体を否定するつもりはありません。
実際、その方法で収益を上げている大家さんもいます。
ただ、低価格・低家賃帯の物件では、入居者属性や物件の利用方法について、より慎重な審査や管理が必要になるケースもあります。
私は、多少利回りが下がったとしても、
できるだけ家賃滞納や近隣トラブルなどのリスクを抑えて、穏やかに経営できる方を選びたい。
これは収益性とは別の、私にとって重要な基準です。
保証会社の審査は必須にしている
もちろん、どんな物件を選んでも入居後に何が起こるかは分かりません。
そのため、募集時にも一定の基準を設けています。
そのひとつが保証会社です。
私の物件では、基本的に保証会社への加入を必須にしています。
実際に、
「この方なら住んでもらいたい」
と思った方でも、保証会社の審査に通らず契約に至らなかったことがあります。
残念ではありますが、家賃をきちんと支払ってもらうことは賃貸借契約の大前提です。
そこは個人的な印象だけで判断せず、管理会社とも相談しながら線引きしています。
今のところ、自分で購入した物件では家賃滞納は0件です。
入居者さんにも常識的に暮らしていただいており、大きな問題なく賃貸経営を続けられています。
出口戦略は「売るとき」だけの話ではない
私にとって出口戦略は、
「5年以上経ったら、いくらで売るか」
だけではありません。
購入する。
修繕する。
入居者さんを募集する。
長く住んでもらう。
家賃収入を得る。
そして最後に売却し、税金や費用を支払ったあとに利益を残す。
ここまで全部つながっています。
だから購入するときから、
一般的な需要がある場所か。
ファミリーが暮らしやすいか。
7万円以上の家賃を狙えるか。
長期保有できる建物か。
そして最後に売却できそうか。
というところまで考えます。
高い利回りを狙う方法はいくらでもあります。
でも、私は利益だけでなく、保有している期間をできるだけ穏やかに過ごせることも大切にしています。
購入価格だけではなく、その家を誰が借り、どんな5年間を過ごし、その先で誰が買うのか。
そこまでイメージできる物件を買う。
それが今の私の築古戸建の出口戦略です。