築古戸建の再生では、どこまでリフォームするかも大切なポイントだと思います。

古いものをすべて新品に交換すれば、当然きれいになります。

でも、それでは修繕費がどんどん膨らみます。

反対に、使えるからと何でも残してしまえば、せっかくリフォームしても古さが目立ってしまいます。

私の場合は、

「使えるものは残す。でも、入居者さんの目に触れるところ、普段よく使うところはきれいにする」

という考えで修繕しています。

これまで築古戸建を再生してきて、私が実際にどこまで手を入れているのかをまとめてみます。

最初に残置物をすべて撤去する

まずは家の中に残っている残置物を撤去します。

家具や家電、不用品などをすべて出し、軽く清掃。

家の中が空っぽになって、ようやく本格的なリフォーム開始です。

私が最初に手をつけることが多いのが、柱などの塗装です。

汚れた柱はペンキで塗装

築古戸建でも、状態がよければ柱はそのまま残します。

ただ、清掃しても落ちないほど汚れていたり、ペットの引っかき傷などが目立っていたりする場合は塗装します。

この段階なら多少ほかの場所にはみ出しても、あとからクロスや床を施工するので修正できます。

そのため、私は比較的早い段階で塗装を済ませています。

水性塗料の方が扱いやすいですが、場所によっては剥がれやすいこともあります。

私は状態に応じて油性塗料も使っています。

リフォームは上から。天井→壁の順番

続いてクロスです。

基本的にリフォームは上から進めていくので、天井を施工する場合は天井から。

その後、壁のクロスを貼っていきます。

壁と天井がきれいになると、一気に部屋の印象が変わります。

ここまで終わったら、設備関係に移ります。

モニター付きインターホンは全物件で交換

私がほぼ必ず交換している設備のひとつが、モニター付きインターホンです。

築古戸建では、昔ながらの「ピンポン」と音が鳴るだけのインターホンが付いていることも珍しくありません。

でも今の防犯面を考えると、玄関を開けずに誰が来たのか確認できる設備はあった方が安心です。

それほど高額な設備ではありませんし、募集するときにもアピールできます。

そのため、古いインターホンの場合はモニター付きへ交換しています。

シャワーや蛇口はできるだけきれいなものに

水回りは、入居者さんが毎日触れる場所です。

そのため、私はシャワーや水栓、蛇口なども状態を見て交換します。

まだ十分きれいで問題なく使えるものなら残します。

でも古さや汚れが目立つものなら交換。

水回りがきれいだと、家全体の印象もかなり変わります。

大きな設備を交換しなくても、こうした部分を新しくするだけで清潔感を出せます。

キッチンは清掃でいけるならそのまま

キッチンも、必ず新品にするわけではありません。

清掃できれいになるなら、そのまま使います。

一方で、どれだけ掃除しても古さや汚れが目立つものについては交換。

シンプルなキッチンなら、ホームセンターなどで比較的安価なものも販売されています。

数万円程度で交換できる場合もあるので、無理に古いものを残すより、交換した方がいいと判断することもあります。

洗面化粧台も「清掃でどこまで戻るか」

洗面化粧台も同じです。

掃除できれいになるなら、そのまま使用。

でも清掃しても、

「これはちょっと古さが目立つな」

と思えば交換します。

築古戸建だからといって、すべて新品である必要はないと思っています。

ただ、入居希望者さんが内見したときに気になるレベルかどうかは意識しています。

トイレも物件によって判断

トイレも物件によって違います。

便器そのものから交換した物件もあれば、既存の便器をそのまま使用した物件もあります。

状態がよければ、無理に全部交換する必要はありません。

ここも清掃後の状態を見て判断しています。

お風呂は「そのまま使える物件」を選ぶ

お風呂は大掛かりなリフォームになると、一気に費用が上がります。

そのため物件購入の段階から、私はできるだけそのまま使用できるお風呂がある物件を選んでいます。

これまで行ったのは、必要な部分の塗装や徹底的な清掃など。

シャワーなど、比較的簡単に交換できて印象が変わるものは交換します。

大きな設備を丸ごと新品にするより、使えるものを生かしながら清潔感を出しています。

長期間空き家だった物件は給湯器も要確認

給湯器も必ず確認します。

比較的最近まで使用されていて、状態にも問題がなさそうなら、そのまま残すこともあります。

一方、数年間空き家だった物件では交換するようにしています。

実際、ある物件で給湯器を交換してもらったところ、業者さんから、

「昔はこういう取り付け方もあったのかもしれないけれど、現在の安全基準で考えると危険」

という箇所を指摘されたことがありました。

見た目では分からない部分です。

そのまま使って大きな事故になる前に交換できて、本当によかったと思いました。

築古物件では、「動くから大丈夫」とは限らない設備もあると感じています。

障子・襖もきれいにする

和室が残っている物件では、障子も張り替えます。

襖については、私はクロスを貼って仕上げることもあります。

取っ手などの部品もホームセンターで購入できるので、古さが目立つものは交換。

小さな部品ですが、新しくすると意外と印象が変わります。

スイッチ・コンセントプレートは必ず交換

私がほぼ必ず交換しているのが、スイッチやコンセントのプレートです。

古い家では黄ばんでいることが多く、壁紙だけ新品にすると逆に古さが目立ちます。

プレート自体はそれほど高価ではありません。

それなのに交換すると見た目がかなり変わるので、費用対効果の高い部分だと思っています。

照明はシーリングライトを設置

照明も基本的にシーリングライトへ交換します。

募集するときにも、

「全室新品照明付き」

と書くことができます。

入居者さんが引っ越してすぐ生活できる状態にしておくことも、選んでもらうためのひとつのポイントだと思っています。

新品の設備がひとつでも多く募集情報に載っていると、築古戸建でも印象は変わります。

最後の方でクッションフロアを施工

壁や設備関係の作業が終わったら、床を仕上げます。

私はクッションフロアを使うことが多く、ネット通販などで安価なものを探して購入しています。

ただし、クッションフロアはかなり大きくて重たいです。

可能であれば、施工する物件へ直接配送してもらうことをおすすめします。

以前、区分マンションをリフォームしたときは、マンションには配送できないと言われ自宅で受け取ったことがあります。

約2mもある大きな筒状の荷物を、自宅から物件まで自分で運ぶことになりました。

これが本当に大変でした。

それ以来、大きな資材はできるだけ現地で受け取るようにしています。

網戸や窓まで終われば、かなり印象が変わる

最後に窓ガラスを清掃し、破れていたり劣化していたりする網戸を張り替えます。

ここまでやると、最初は古さが目立っていた築古戸建でも、目に入る部分の多くがかなりきれいになります。

もちろん物件によって修繕内容は違います。

全部交換する家もなければ、全部残す家もありません。

「全部新品」ではなく、どこにお金を使うか

築古戸建のリフォームでは、予算をかけようと思えばいくらでもかけられます。

でも賃貸物件なので、かけた費用を家賃で回収することも考えなければいけません。

だから私は、

清掃できれいになるものは残す。
汚れや古さが目立つものは交換する。
防犯や安全に関わるところはしっかり確認する。
比較的安く交換できて印象が変わるものにはお金を使う。

という考えで修繕しています。

築古だからこそ、全部を新品にする必要はありません。

大切なのは、予算の中でどこにお金を使えば、入居する人が気持ちよく暮らせる家になるのかを考えること。

何件か再生するうちに、少しずつ自分なりの「残す・交換する」の基準ができてきました。